太陽光の違いについて
また私たちは、その逆で目的を手段にしてしまうこともよくある。
夕暮れどき、あなたは岩山の頂で、魅入られたようにうっとりと立ちつくしている。
太陽が今まさにその光の翼をたたみ、最後の輝きで眼下の山肌を黄金色に染めている。
そこであなたは考える。
「ああ、カメラを持ってくればよかった」。
このような雄大で壮麗な瞬間であっても、何か別のものの素材になってしまうのだ。
哲学者のC・Tは、著書の『H』の中で、現代社会にはびこる「そのもの自体の価値だけでは満足しない」という病について注意を促している。
私たちはその病のせいで人間関係をも損得勘定で計算してしまっているとTは述べている。
私たちの仕事に対する態度も、目的と手段の逆転の一例だろう。
労働という行為のほとんどは、何か別のものを得るための手段になっている。
私たちは、食べものや、家具、衣服、旅行などを手に入れるために働く。
または抽象的な、賞賛や地位などを手に入れるために働く。
しかし、仕事はまた、それ自体が充足感をもたらすものでもある。
制作中の画家や、プレー中の野球選手、仕事に没頭しているセールスマンなどを見れば、仕事自体に価値があるということがわかるだろう。
仕事は手段でしかないと考えることは、人生で最も充実した喜びをもたらしてくれるものに対する侮辱なのである。
類人猿が人間とよく似た体の構造をしていること(人間とチンパンジーのDNAは98パーセントまで同じである)は、医学界にとって福音であった。
彼らのおかげで、有効な新薬実験が行えるだけでなく、移植用の臓器も手に入るのだから。
そして、類人猿の行動を調査することによって、私たち人間の心理的性癖もわかるようになったのである。
H・Hは、1950年代にアカゲザルを使った画期的な実験をいくつも行ったが、そのひとつにサルにパズルを与えるという実験があった。
そしてHは、サルたちが何時間もかけて、パズルをひとつひとつ手にとっては組み立てていく様子を観察した。
彼らは、何のご褒美ももらえなくても、ただパズルで遊ぶ喜びのためだけにそうしていたのだ。
彼らは、仕事それ自体が価値を持つのは、どんなときなのだろう?それは仕事が「私たちの自然な好奇心を喜ばせる」ときであり、「私たちの能力を要求する」ときであり、「私たちの自立を宣言する」ときであり、「フローの体験を提供する」ときである。
以下で、これらの性質について詳しく見ていこう。
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